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●中国産の農産物

2002年に中国産の農産物から残留基準値を超える農薬が相次いで検出され、中国野菜の危険性が広く認識されました。その後も中国産の生鮮食品や加工食品から基準値を超える有害化学物質の検出が続いています。中国産の違反が目立つのは、中国からの輸入量が多いことも一因ですが、有害化学物質に著しく汚染された中国産品が多いことは疑いがないでしょう。

2002年の報道から
◆中国産冷凍野菜の残留農薬
中国産の冷凍ほうれん草から食品衛生法の基準を超える残留農薬が相次いで検出されている。
ほうれん草
発端は02年2~3月、民間の「農民運動全国連合会」(農民連)の調査で中国産冷凍ほうれん草から殺虫剤のクロルピリホスが基準(0・01ppm)の9倍も検出されたことだった。冷凍野菜は食品衛生法では「加工食品」とされ、生鮮野菜のような残留農薬基準はないため、従来はほとんど検査されておらず、農民連は独自に検査してきた。今回の中国産冷凍ほうれん草からの多量検出を受け、厚労省が02年3月20日から、全国の検疫所で冷凍野菜18品目を生鮮野菜と同じ基準で検査し始めると、基準を超える残留農薬が次々と出てきた。

検疫所では既に、30ロットからクロルピリホスが、1ロットから別の殺虫剤のパラチオンが基準を超え検出された。他の1ロットからは、殺虫剤として国際的に製造・使用が禁止されているディルドリンも出てきた。自治体も市場に流通している品を調査。東京都では、23点中3点から基準を上回るクロルピリホスが検出された。

中国国内でも残留農薬が問題になっている。中国紙「北京法制報」によると、農産物卸売市場の抜き取り調査で、中国の基準値を超える残留農薬がサンプルの3・5%から検出された。また、北京市工商局がスーパーマーケットなどで、しょうゆや酢など372品目を対象に調査したところ、4割を超える161品目から安全基準を超える有害物質が検出された。中国政府の政策研究機関「国務院発展研究センター」の陳錫文副主任(農業学)は01年12月、残留農薬で健康を害した患者が中国国内だけで年間10万人に上るという試算を明らかにしている。
(2002年6月23日・毎日新聞より)

◆中国産の冷凍ねぎから、基準の6倍の残留農薬
ミスタードーナツの飲茶セット「汁そば」に使う中国産冷凍ねぎから基準値の6倍の有機リン系殺虫剤クロルピリホス0.06ppmが検出された。国は02年3月、冷凍野菜について生鮮食品と同じ残留農薬基準を設定し、18品目で検査を始めているが、ネギは検査の対象外だった。
(2002年7月3日・毎日新聞より)

◆中国産カリフラワーに残留農薬
厚生労働省は、中国産カリフラワーから基準を上回る有機リン系殺虫剤メタミドホスが相次いで検出されたと発表した。02年8月に農林水産省が札幌市内で販売されていた中国産冷凍カリフラワーを検査したところ、基準の2・6倍に当たるメタミドホス2・6ppmを検出。さらに02年10月、大阪検疫所の輸入時検査で1・7ppmが検出された。
(2002年10月10日・毎日新聞より)

◆中国産松茸から残留農薬
中国産の輸入松茸から残留基準の28倍の農薬ジクロルボスが02年8月に検出されたのに続き、11月15日にも関西国際空港に輸入された中国産の生鮮松茸51キロの一部から、基準の3倍のジクロルボスが検出された。
(2002年11月19日・毎日新聞より)


腐らない椎茸
(※2002年9月7日・毎日新聞参照)
大分県きのこ研究指導センターは98年にある実験を行いました。日本産と中国産の干し椎茸を水にひたし、放置したところ、日本産は3~5日でかびが生え始めたのに、中国産は1週間たっても生えませんでした。

中国産椎茸は日本産より日持ちがよいと広く認識されています。この問題で、臨床栄養学の研究者が各地で国産や輸入品の生椎茸を購入し、農薬などを検査しました。その結果、特に問題になる農薬は検出されませんでしたが、なんと、カドミウムやヒ素、鉛が検出されました。

椎茸からカドミウムなどが検出される理由について、研究者は「椎茸を生産するときに使う水や、オガクズの培地に含まれていたのではないか」とし、水や土壌の環境汚染が原因と推測しています。

障害児が「30秒に1人」
週刊新潮によると、中国では障害のある新生児が30秒に一人の割合で生まれている――との報告が上海で開かれたシンポジウム「東方科学技術フォーラム」(上海市人民政府と中国科学院の共催)で行なわれました。中国で、先天的に障害を持って生まれる新生児の現状分析が行われ、「年間100万人、平均30秒に一人の割合で障害児が生まれている」との報告があったそうです。心臓疾患、口唇・口蓋裂、多指症、脳性マヒなどが主な症状で、障害の要因は遺伝的要素が25%、妊婦の食生活など環境的要素が10%、残り65%近くは原因不明とされました。年間100万人は中国の総出生数の約5%です。公害や農薬、食品添加物などが原因の可能性があります。

最近の報道から
◆中国の農地汚染深刻
中国紙「中国環境報」は、全国の農地で重金属などによる汚染が深刻化し、毎年1000万トン以上の食糧が失われ、直接的経済損失は少なくとも200億元(約2900億円)に上っているとの専門家の論文を掲載した。損失は05年の食糧生産量の2%以上に相当する。土壌汚染の原因として無秩序な鉱山開発や、農薬・化学肥料の乱用などをあげ、「人体にも悪影響を及ぼしかねない」と警告した。
(2006年4月3日・毎日新聞より)

◆中国産ニンニクとうなぎから基準値超える農薬
中国産のニンニクの茎と、うなぎから基準値を超える農薬や殺虫剤が検出されたとして、厚生労働省は食品衛生法に基づき輸入業者に検査命令を出した。
(2006年8月23日・毎日新聞社より)

※同じ国の食品で基準違反が2度、見つかると、厚労省が輸入業者に検査命令を出し、全量検査が義務付けられます。

◆中国産ピーマンから基準値超える農薬
厚生労働省は、中国産ピーマンからピリメタニル(殺虫剤)が基準値を超えて検出されたとして、国内の輸入業者2社に対し、食品衛生法に基づく検査命令を出した。07年1月と6月、2社が中国から輸入した冷凍食品のピーマンから、残留基準値(0.01ppm)を超える農薬(残留値0.02~0.04ppm)が2件見つかった。
(2007年6月21日・毎日新聞より)

◆中国産しょうがから使用禁止の農薬
米国・カリフォルニア州保健局は、中国産の生しょうがから、使用が認められていない農薬の残留物が見つかったとして、消費者に食べないよう警告した。 見つかったのは殺虫剤アルジカルブの一種で、大手スーパーで販売された。米国では、中国から輸入したペットフードやダイエット食品、魚介類などから次々と有毒物質が検出されている。
(2007年7月31日・読売新聞電子版より)

◆中国産野菜の残留農薬検査、7.2%が不合格
新華社電によると、中国の主要都市で07年1~3月期に行った野菜の残留農薬の検査で7・2%が不合格となった。水産物の抗菌剤マラカイトグリーンについては10・5%が不合格だった。
(2007年8月6日・毎日新聞より)

◆中国産枝豆に残留農薬 対象は60品目目に
厚生労働省は、中国産枝豆から、残留が認められない農薬「プロファム」が検出されたとして、国内の輸入業者2社に食品衛生法に基づく検査命令を出した。中国産の食品に対する検査命令は今年度4回目で、対象はウナギ、ピーマンなどと合わせ60品目になった。
(2007年8月30日・毎日新聞より)

◆中国の農薬メーカー23社、農業省が処分
中国農業省は29日、毒性の強い農薬を生産している国内メーカー16社に対し生産停止を命じる方針を明らかにした。既に他の7社が生産している11種類の農薬も毒性が強いとして販売できないよう登録を取り消した。処分対象の社名や製品名などには言及しなかったが、主に輸出用だという。
(2007年10月30日・毎日新聞より)

◆中国製冷凍餃子で農薬中毒
07年12月から08年1月にかけて、中国製の冷凍餃子を食べた千葉県や兵庫県の3家族10人がおう吐や下痢などの薬物中毒症状を訴え、9人が入院した。餃子の一部やパッケージから有機リン酸系殺虫剤「メタミドホス」が検出された。材料の野菜に残留農薬が付着していたか、工場での製造過程で農薬が混入された可能性がある。
(2008年1月31日・毎日新聞より)


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