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●農薬の毒性

発がん性
発がん性の危険がある農薬も多数ありますが、基準値以下の濃度なら使用が認められています。

例えば、除草剤2.4-PA(2.4-D)や殺虫剤DDVP、殺菌剤キャプタン、花の成長調整剤ダミノジッド、防カビ剤OPPなどは動物実験で発がん性が認められていますが、使用可能です。

ダイオキシン類やニトロソアミン類などの発がん性物質を不純物として含む農薬もあります。これも使用可能です。

催奇形性
動物実験などで催奇形性(胎児などに奇形を引き起こす性質)が懸念される農薬も多数ありますが、基準値以下なら使用を認められています。

生殖障害
人間の生殖に影響を与えることがよく知られている農薬には、有機塩素系の殺虫剤クロルデコンや、塩素と臭素を含む殺虫剤のDBCPなどがあります。これらの農薬の製造工場(米国)の労働者には、精子をつくる機能に障害が見つかり、無精子症で子供ができない人もいました。DBCPはその後の調査で、散布した農家の人にも被害が見つかり、使用が規制されました。今は登録が失効していますが、農家にストックがあれば使用される可能性があります。また、過去に使ったものが土の中に残留し、農作物の根から吸い上げられるケースもあります。日本でも登録されているカーバメート系の殺虫剤NACに関しても、米国の製造工場の労働者の精子に異常が見られたという報告があります。

動物実験でも、DDVP(ジクロルボス)、DEP(ディプテレックス)、MEP(スミチオン)、MPP(フェンチオン)など有機リン系農薬や、ジチオカーバメート系の農薬で、精子をつくる機能の障害やお腹の中の子供への影響が見られます。これらの農薬は「人体への影響については確証がない」として、使用が続けられています。

環境ホルモン農薬
「環境ホルモン」とは、生体の生殖や発育、行動に関するホルモンの作用を阻害する化学物質のことで、正確には「内分泌かく乱化学物質」と呼ばれています。これは生体内でホルモンのようなふるまいをして正常なホルモンの働きをかく乱したり、邪魔したりして、生殖や発育に障害を与えます。

農薬では、除草剤アトラジンはカエルの雌雄同体の原因になると指摘されていますし、有機リン系のMEPやピレスロイド系殺虫剤のペルメトリンなども環境ホルモンとしての性質が疑われています。

また、環境省が環境ホルモンの一つに挙げているフェンバレレートという農薬はモロヘイヤや大葉、さやえんどうなどから高い残留量が見つかっています。この農薬について、「胎児の脳神経系への影響などを考慮すると、基準以内でも安心できない」と指摘する学者もいます。

プロシミドンという殺菌剤は、きゅうりやなす、ピーマン、いちご、桃、ぶどうなどで広く検出される農薬ですが、米国でのラットを用いた実験で、胎児に生殖障害を引き起こすことが分かりました。妊娠中の母ラットにプロシミドンを与えると、生まれてくる子ラットに尿道下裂(尿道の開口部が正常な位置にない先天異常)などが生じたのです。環境省が挙げている約70種類の環境ホルモンのうち約40種類は農薬ですが、プロシミドンはこのリストには入っていません。

神経系の障害
農薬とパーキンソン病との関連を示す疫学調査結果はいくつかあります。例えば、台湾の疫学調査で、除草剤パラコートがパーキンソン病の危険因子とみなされました。動物実験でも農薬とパーキンソン病との関連を示唆する報告が複数あります。また、単独ではほとんど影響がない量の除草剤と殺菌剤を一緒に動物に投与すると、パーキンソン病と似た行動障害が起こりました(相乗作用)。

農薬と多動性障害との関連も懸念されています。

また、ジチオカーバメート系の農薬や、農薬に不純物として含まれるETU、殺菌剤のTBZ(輸入かんきつ類などに広く使用)などは中枢神経系や骨格に異常をきたすことが動物実験で分かっています。

アレルギー
農薬による慢性中毒症状としてかぜをひきやすいという状態があります。これは免疫力の低下によるものとみられています。免疫力の低下はがんの多発にもつながります。

動物実験で皮ふに悪影響を与える農薬がたくさんありますが、これらの農薬はぜん息やじんましんなどのアレルギー症状を引き起こす恐れがあります。

有機リン系農薬の多様な害
DEP(ディプテレックス)、DDVP(ジクロルボス)、MEP(スミチオン)、マラチオンなど有機リン系農薬による慢性中毒は古くから知られています。有機リン系の農薬は神経毒性の強い物質で、突然変異原性や発がん性、免疫力低下、ホルモン異常、生理不順、目の障害(視力低下、視野狭窄(きょうさく)、乱視など)、自律神経障害(頭痛、吐き気、めまい、下痢など)など多種多様な影響があります。農薬の摂取・被ばく量と症状の関係は個人差があり、少量でも症状が出る場合があります。

胎児や子供に特に影響
農薬は、子供や胎児への影響がいっそう深刻です。

2002年発表の研究結果によると、米国の家庭での殺虫剤使用(ゴキブリ、ハエの駆除)が子供の白血病発症率を高めることが分かりました。妊娠前3カ月、妊娠時、出産後1年、2年、3年で、殺虫剤を使用した場合の子供の白血病発症率は、それぞれ通常の1.8倍、2.1倍、1.7倍、1.6倍、1.2倍だったそうです。

スペインの論文は、農業の父親が農薬を使う時期(4~9月)に子供をもうけた場合、先天異常による胎児の死亡が1.6倍になると報告しています。

欧米で、妊娠中に周辺で散布された殺菌剤ベノミル(商品名ベンレート)にさらされた結果、先天性無眼症など目に障害を持つ子供が生まれたとして、家族らがメーカーのデュポン社を相手に訴訟を起こした事例も複数件あります。


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