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●養殖魚は化学物質漬け

世界初の魚の養殖は日本
1927(昭和2)年、香川県東部の安戸池ではまちの養殖に成功しました。これが世界で初めての魚の養殖でした。
養殖

はまち、たい:今は養殖が大半
その後、日本の漁業は1970年代初めまでは天然ものが主力でしたが、200カイリ水域からの撤退や沿岸での天然魚の減少もあって、今では生産量の2割を養殖が占めるようになりました。

2006年の養殖ぶり類(はまち等)の収穫量(約15万4000トン)は天然(約6万9000トン)の2.2倍、養殖まだい(約7万2000トン)は天然(約1万6000)の4.5倍です。

ブリまだい
※代表的な養殖魚である「ぶり」(左) 「まだい」(右):WEB魚図鑑より

このほか、ひらめ、ふぐ類、くるまえび、しまあじ、さけ・ます類なども養殖が盛んです。また、輸入養殖魚もたくさんあります。
日本の主な養殖水産物
ぶり(はまち)、まだい、かんぱち、ひらめ、とらふぐ、しまあじ、まあじ、ひらまさ、たいりくすずき、すずき、すぎ、くろまぐろ、くるまえび

背中の曲がったはまち――切り身や刺身で販売
順調に市場を拡大してきた養殖魚ですが、1970年ごろから、背中の曲がった養殖はまちが卸売市場にしばしば出回るようになりました。正常なはまちの3分の1くらいの値段で売買されていたこの「奇形はまち」は小売店の店頭では切り身や刺身にして売られるため、奇形魚だと分からないまま、消費者が口にしていたのです。恐ろしいことです。

奇形の原因は猛毒のTBTO
奇形の原因は何だったのでしょうか?

それは、養殖の生けす(魚網などで作った囲い)の漁網防汚剤として広く使われた猛毒・TBTO(トリブチルスズオキシド)の影響だと指摘されています。

生けすの魚網には海藻や貝などが付着して目詰まりし、生けす内の水質悪化や酸欠を引き起こします。すると、魚の育ちが悪くなったり、病気になったり、死んだりします。しかし、漁網を交換すると、手間がかかるうえ、魚に傷がついて商品価値が低下したり、病気になったりします。そこで、猛毒・有機スズ(TBT)の化合物であるTBTOを魚網に塗りこんで海藻や貝が付きにくいようにしたのです。

有機スズ化合物は、中枢神経系の障害や免疫低下、感覚障害、環境ホルモン作用が指摘されています。腎臓障害や肝臓障害の可能性もあり、蓄積性も高いので、妊娠中の女性から胎児への影響も考えられています。

TBTOは90年、法律で輸入・製造・使用が禁止されましたが、その後も不正使用を疑わせる事例が報告されています。

奇形のたい
94年7月、女性雑誌のカメラマンが、関西の魚市場で一般のセリが終わりかけたころ、病気や奇形の養殖まだい(皮膚病のもの、目に異様な膜が張ったものや欠損したもの、頭が陥没したものなど)が売られるのを目撃しました。別の日にも、同じ市場で奇形の養殖まだい(ヒレが逆さになっていたり、尾がちぢれたものなど)がセリ売りされ、地元業者が競り落としてきました。店頭では刺し身や切り身にして売られるため、消費者は奇形や病気の魚と知らずに買って食べることになります。

また、せきついに異常がある奇形養殖まだいが流通しているという報告もときどきあります。

奇形養殖まだいの背景には、TBTOの不正使用の可能性があります。養殖の盛んな愛媛県で99 年にTBT(有機スズ)入り漁網防汚剤の不正輸入が発覚しました。また、2001 年に宇和海漁場環境調査検討会が出した宇和海(愛媛県)の環境に関する報告書に、「魚類養殖海域では表層ほどTBT が富化しており、最近までTBT 防汚剤の使用が続いていたことがうかがわれた」との報告もあり、養殖現場でTBTOを使った漁網防汚剤が禁止後も秘密で使用されている可能性があります。

えさに添加物(化学物質)満載
養殖魚の汚染はTBTOだけではありません。えさに含まれる大量の化学物質と病気治療のための医薬品(抗生物質など)が養殖魚の体内に蓄積しています。

まず、養殖魚は何を食べているのでしょうか?

日本近海でいわしが豊富に獲れていた昔は生えさを与えることができましたが、現在は、魚の切り身や魚粉などにたくさんの添加物を混合した「モイストペレット(MP)」という飼料が中心で、「ドライペレット(DP)」という固形飼料も増えつつあります。

MPは水分を含んだ固形飼料で、天然の魚なら普通は食べることのない脱脂粉乳や鶏卵、小麦粉、米ぬか、大豆油粕、ビール酵母、大豆レシチン、植物油などが配合されている場合も多くあります。小麦粉にはポストハーベストが残留しています。

また、MPやDPには、添加物として、防かび剤や酸化防止剤、増粘剤、乳化剤、PH調整剤などたくさんの飼料添加物(化学物質)が加えられます。一部を下の表に示しました。

■養殖魚の飼料に使われている主な添加物■
1 「防かび剤」 プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム
2 原料の酸化を抑制する「抗酸化剤」 エトキシキン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール
3 飼料の粘結を補助する「粘結剤」 アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プリアクリル酸ナトリウム、プロピレンナグリコール
4 飼料の水や油とのなじみを助ける「乳化剤」 グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等
5 たん白質のアミノ酸バランスを補助して飼料効率を高める「アミノ酸」 L-アルギニン・塩酸L-リジン・DL-メチオニンL-グルタミン酸ナトリウム等
6 「ビタミン」 L-アスコルビン酸・イノシトール・塩化コリン・塩酸チアミン・ビタミンA粉末・ビタミンE粉末等
7 まだい・ぎんざけ・にじますの色揚げを対象にした「色素」 アスタキサンチンと今年新たに認可されたカンタキサンチン
8 香り付けを行う「着香料」  
9 飼料のPHを整える「調整剤」 ギ酸等
10 甘味を加える「呈味料」 サッカリンナトリウム
11 消化を助ける「酵素」 アミラーゼ・セルラーゼ・フィターゼ・リパーゼ等

防かび剤をはじめたくさんの化学物質が入っています。これらが魚に蓄積され、人体にも取り込まれます。

養殖魚は薬漬け
養殖魚を汚染しているのは、TBTOや配合飼料中の大量の化学物質だけではありません。駆虫剤や様々な抗生物質、抗菌剤が生けすに投入されており、養殖魚を薬漬けにしています。

養殖魚には、細菌感染症に効果のある抗生物質や、寄生虫感染症に効果のある駆虫剤、合成抗菌剤、ビタミン剤、消毒薬、ワクチン、麻酔薬、ホルモン剤といった「水産用医薬品」が大量に投与されています。

養殖魚になぜ薬が必要か
養殖魚になぜそんなに薬が必要なのでしょうか?それは、養殖魚が次のような理由で病気になりやすいからです。

  • えさの残がいやふんなどが生けす内に残り、水質が悪い。
  • 魚同士がぶつかり合って体に傷がつき、細菌に感染しやすい。
  • 小さな生けすの中で大量にひしめき合って飼育されるので、魚にストレスがたまる。
  • 過剰にえさを与えられるのと運動不足で、脂肪が多く病気になりやすい体質(人間の成人病のようなもの)になっている。

現在は、えさに抗生物質や合成抗菌剤の混合は禁止されていますが、一匹でも病気になれば、生けす全体に医薬品を投与できます。

また、獣医の処方せんや役所への報告も不要(=つまりだれも管理していない)ので、事実上、自由に投与できます。生けすの中は魚が超過密状態なので、病気の魚が出ると、あっという間に全体に感染してしまいます。そこで、あらかじめ(違法に)薬を投与する可能性もあります。

発がん性や催奇形性
これらの抗生物質や合成抗菌剤のなかには発がん性や催奇形性が確認された薬も含まれています。水産用医薬品を使用した場合、一定期間(休薬期間)は出荷できませんが、有害物質が魚の細胞のすみずみに蓄積されており、人体に取り込まれることになります。

公的機関は、一部の医薬品について残留検査をしていますが、それもごく一部(抜き取り検査)です。また、仮に検査をパスした場合でも、薬の含有濃度が基準以下なら売っても構いません。

脂肪部分に化学物質が凝縮
過剰のえさと運動不足で太った養殖魚には、脂肪部分に添加物や医薬品の化学物質が蓄積しやすいので、化学物質たっぷりの魚が食卓に届くということになります。

特に、油の乗った部分ほど添加物や医薬品に含まれる化学物質が凝縮されているのです。マグロなら油の乗った「トロ」が高級とされていますが、天然ものでも養殖ものでも、油ののった部分ほどさらに危険性が高まることになります。

耐性菌
抗生物質の害は発がん性や催奇形性、腎臓障害などで、第4章「薬は体に悪い!」でも詳しくご紹介しています。

抗生物質を多用すると、抗生物質がまったく効かない新たな細菌、「耐性菌」の発生にもつながります。耐性菌に感染すると、抗生物質が効かず、命を落とすこともあります。例えば、養殖魚から人間にも悪影響のある耐性菌MRS(メチシリン耐性ブドウ球菌)が検出され、心配されています。


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