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●家畜

ポストハーベスト&遺伝子組み換え作物
牛や豚、にわとりなど家畜の飼料は、とうもろこし(約1200万トン)や麦、大豆かすなど計約1600万トンを輸入に頼っています。国内で使われる飼料の7、8割を占めますが、これらの輸入穀物にはポストハーベスト(収穫後の農薬)がふんだんに使われ、非常に問題があります。飼料にも農薬の残留基準値が定められていますが、チェックは国内の主な飼料工場でしか行われておらず、監視体制は十分とは言えません。

また、とうもろこしの多くは米国産で、遺伝子組み換え(GM)です。作付面積比率では米国産大豆の8割、とうもろこしの4割がGM。食用油の原料として輸入され、しぼりかすが家畜の飼料になるカナダ産菜種も7割がGMです。

添加物&抗生物質
さらに、飼料には養殖漁業のえさと同じように飼料添加物が加えられます。防かび剤や酸化防止剤、増粘剤、乳化剤、PH調整剤などたくさんの化学物に加え、家畜飼料には抗生物質の混入も認められています。抗生物質は成長促進(栄養分の吸収がよくなる)や病気予防のために用いられます。成長促進にはホルモン剤も使われます。

畜産や養殖魚に対する抗生物質の使用量は、人間の使用量をはるかに上回っています。98年に日本で人間の医療用に使われた抗生物質は520トンですが、01年に動物用に使われた抗生物質は1290トンにのぼりました。内訳は、成長促進のための「飼料添加物」が230トン、病気の予防・治療のための「動物用医薬品」が1060トンでした。

抗生物質など大量に食べさせられる化学物質が原因で解体時に臓器に炎症が見つかる牛や豚は7割を超えるとも言われています。

さて、抗生物質の日常的な投与によって、抗生物質に対する抵抗力が強い「耐性菌」が次々に出まれています。人間が耐性菌に感染して病気になった場合、治療が困難です。例えば、かつては抗生物質を使うとすぐに治った中耳炎が、最近、慢性化するケースが増えています。中耳炎の原因となる細菌が抗生物質への耐性を身につけた結果です。

また、抗生物質そのものが免疫低下や腎臓障害、肝臓障害などにつながることは第4章「薬は体に悪い!」で詳しくご紹介しています。

EUは抗生物質を規制←→日米はお構いなし
家畜の体内に耐性菌が生まれ、それを食べる人間に悪影響を及ぼすことを懸念し、スウェーデンは86年、家畜の成長促進のための抗生物質の使用を禁止しました。97年にはWHO(世界保健機関)の専門家会議が「科学的証拠はないが、懸念するに足る事実がある」として成長促進のための使用禁止を勧告。EU(欧州連合)も99年、家畜に使っていた4種類の抗生物質を禁止したうえ、06年からは成長促進のための使用を原則禁止する方針を決めました。ところが、米国や日本ではお構いなしに使い続けています。

鶏肉、卵
肉
飼料穀物へのポストハーベストや添加物、病気予防や成長促進のための抗生物質。こうした化学物質(有害物質)は鶏肉の細胞に蓄積されると同時に、鶏卵にも凝縮されています。

ブロイラー(食用若鶏)を例にとれば、誕生から出荷まで数十年前には80日程度かかっていたのが、今では40~60日ほどで出荷されます。利益のために、えさを過剰に与え、抗生物質やホルモン剤で成長を促進し、急成長させるのです。しかも、畳2畳ほどのスペースに60~80羽を詰め込むのがブロイラーの平均的な飼育方法です。この超過密環境で感染症などからにわとりを守るには、抗生物質や合成抗菌剤をえさに混ぜて与えるしかないのです。

このため、外国産の鶏肉からは、極めて強力な耐性菌が見つかっています。従来の耐性菌に唯一、効果があった抗生物質「バンコマイシン」すら効かないVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)という最強の耐性菌が、ブロイラーの腸内で生まれたというのです。VREは98年、フランス産の鶏の50%、タイ産の21%、ブラジル産の9%から検出され、その後、中国産の鶏肉からも見つかっています。

牛肉と化学物質
飼料へのポストハーベストや添加物、抗生物質などの化学物質(有害物質)による汚染に加え、牛の成長促進に米国などで多用されているホルモン剤も人間の子供に性的な発育異常をもたらす危険性が指摘されています。EUはホルモン剤を使用した牛肉の輸入を禁止していますが、日本は国内での使用を禁止していますが、輸入品には規制をしていません。

BSE(通称・狂牛病)
また、牛の場合はBSE(牛海綿状脳症、通称:狂牛病)の危険もあります。BSEは補助飼料として牛に与えた肉骨粉を媒体として広がったとされます。国内では、07年12月に北海道で34例目の感染が報告されました。

国内で初めてBSE感染牛が見つかったのは01年9月で、01年10月に牛の全頭検査が始まりました。その検査法は、牛の脳みその一部(延髄)を取って、そこに異常プリオンが見つかるかを調べるのですが、異常プリオンがせきずいや腸、舌扁桃(ぜつへんとう)にあったり、脳内蓄積量が少ない場合には、感染は発見できません。このため、全頭を検査しても、4頭のうち3頭は市場に出荷されてしまいます。特に若い牛だと発見可能性がゼロに近いそうです。

一方、日本では、牛が暴れないように牛の頭にワイヤ状の器具を差し込み、脳組織を破壊する「ピッシング」という処置を施す処理場が多いのですが、感染牛に器具を差し込むと異常プリオンが血液に流れ、肉を汚染する可能性があります。ピッシングは欧米では禁止されています。

また、舌の奥にある扁桃は、欧米では大幅に切除していますが、牛舌を食べる習慣のある日本では統一した切除法がなく、不安が残ります。

将来はヒトからヒトへ
米経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」は06年6月、「BSEは社会病」と題した論説記事を掲載。この中で、BSEによって引き起こされるヒトの変異型ヤコブ病について、「将来、牛ではなく、ヒトのキャリアーからの感染が問題になるのは確実だ」と警告しました。英国に数百人規模で症状の出ないキャリアーがいる可能性があり、将来は輸血や手術器具を通じて感染が拡大する恐れがあると指摘したのです。


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