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●食品照射は必要か

業者には便利だが…
放射線照射で殺菌するとすれば、胸のレントゲン撮影の1億倍を越える放射線量を食品に照射することになります。 

放射線を照射されたじゃがいもや玉ねぎは、芽を出さずに常温で半年以上も貯蔵することができます。それは確かに便利ではありますが、そのような野菜は本当に安心して食べられるのでしょうか?

芽が出ない、常温で半年以上も保存できる――業者には便利化も知れませんが、「食べるのは不安」という消費者がたくさんいます。このため、米国の照射スパイスは食品業者やレストラン向けで小売り用はありません。フランスでも照射スパイスは外食産業用、照射鶏肉は輸出用です。

未知の化学物質
食品照射に用いられる放射線はγ(ガンマ)線、X線、電子線です。放射線による殺菌作用はDNAの切断によるものであり、主に細胞分裂膜が失われます。照射食品は化学的に変化し、「放射性分解生成物」(特異的放射線分解生成物)が生成されます。この生成物には、ブドウ糖、ギ酸、アセトアルデヒド、二酸化炭素、発がん性のあるホルムアルデヒド、ペロキサイド(消毒剤や漂白剤の成分)、そして「未知の化学物質」があると言われています。米国食品医薬品局(FDA)は、食品1キログラムに放射線を1キログレイ照射すると、未知の放射性分解生成物が3ミリグラム未満できると推定しています。

発がん性の疑い
1998年のドイツの研究報告では、食品に放射線を照射すると、「2-ドデシルシクロブタノン」という放射性分解生成物ができ、それをラットに与えたところ、細胞内の遺伝子(DNA)が傷つきました。日本で1960~70年代に照射じゃがいもや照射玉ねぎをねずみに食べさせた実験でも、生殖器官である卵巣の重量が3分の1に低下、死亡率が増加、奇形が発生――などの結果が出ました。 また、発がん性のあるアフラトキシンは放射線照射食品の中で増加する傾向があると言われています。

(※日本の実験については、後に、当時の研究者が「実験に不備があった」とし、政府は「照射による影響ではない」としました。これに対しては、「実験のやり直しをすべき」という批判があります。)

独仏の研究グループは02年、食品の脂質に照射することで微量に発生するシクロブタノン類を大量にマウスに与えたところ、発がん促進作用の可能性が分かった、と発表しました。

見分けられない
先にも触れました、照射食品には実用的な検知方法がありません。検疫所や流通現場で、表示が正しいかどうかを検査したり、違法な照射食品がないかどうかを検査したりする方法がないのです。
スパイス

また、スパイスの場合、ありとあらゆる加工食品に照射スパイスが入る可能性があります。照射スパイスを直接売る場合には、食品衛生法で照射の表示が義務付けられますが、加工食品に入っている場合は表示義務がありません。このため、消費者は照射スパイス入りかどうかを見分けることができません。


主な推進意見
主な推進意見をまとめました。

  • すべての放射性分解生成物の分子構造を明らかにすることは不可能に近い。
  • WHO(世界保健機関)、FAO(国連食糧農業機関)、IAEA(国際原子力機関)の3機関が1980年、「10キログレイ以下の照射では毒性学的な危険性はない」との見解をまとめた。92年に日本アイソトープ協会もその見解を追認した。
  • 香辛料に対して現在行われている蒸気殺菌だと、製品の香りが減り、色も変化する。
  • 放射性分解生成物の大部分は加熱による分解生成物と同じだし、加熱調理時にできる量よりも生成量が少ない。

消費者らの心配
消費者らが反対する主な理由をまとめました。

  • 放射性分解生成物の危険性を指摘する実験結果がたくさんある。国は「実験のやり方が悪い」などと否定するが、それなら独自に実験すべきだ。
  • 食品照射の拡大・推進は消費者にとってはメリットも緊急性もない。
  • 香辛料の香りや色については、消費者にとっては、現在の蒸気殺菌で何の支障もない。「蒸気殺菌だと香りが悪くなる」というが、消費者はそこまで気にしていない。
  • 北海道の士幌町農協(JA士幌町)が出荷している照射じゃがいもの流通も不透明。どこにどれだけ流通しているかが不明。学校給食にも流れているという情報があるが、実態は不明。
  • 照射されたかどうかを知る検知法がないのも問題。


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