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●人の健康への不安

消費者の拒否反応
◆欧米でも日本でも消費者が「ノー」
米国の「ピューリサーチセンター」(The Pew Research Center for the People and the Press)が03年に発表したアンケート調査によると、「科学的に操作された果物や野菜は健康と環境に悪影響を及ぼす」という理由で、反対する消費者が多数でした。そのような食品は「悪い」と答えたのは、フランスで89%、ドイツで81%、日本で76%、イタリアで74%、英国で65%、カナダで63%、米国で55%でした。

◆農水省調査でも「ノー」
03年の農林水産省の調査によると、60%以上の消費者が遺伝子組み換え食品の安全性を危ぶみ、購買を望んでいません。 「組み換え食品がそうでない食品よりも安価であったとしても購買を差し控える」が68%、「たとえ栄養価が高く化学物質が少ないとしても買い渋る」が60%となっています。

◆8割の消費者が「気になる」
05年8月に農林水産省が発表した消費者アンケート結果によると、組み換え作物が原材料として使われているかどうかについて、「非常に気になる」が26%、「気になる」が53%でした。

組み換え稲の実験栽培に住民が反対
05年12月、独立行政法人「中央農業総合研究センター北陸研究センター」(新潟県上越市)が進める病気に強い組み換え稲の栽培実験について、同市内の農家と賛同する歌手の加藤登紀子さん、漫画家のちばてつやさんら15人が、同実験で精神的苦痛を受けたとして、センターを管轄する独立行政法人「農業・生物系特定産業技術研究機構」(茨城県つくば市)を相手に総額2670万円の損害賠償と将来の実験差し止めを求め、新潟地裁高田支部に提訴しました。

実験では、いもち病などに強い殺菌たんぱく質をうるち米の遺伝子に組み込みますが、加藤さんらは「殺菌性があるたんぱく質の効かない“耐性菌”が発生し、生態系に重大な影響を及ぼす危険性がある。周辺の稲と交配(交雑)すると、安全な米を食べる消費者の権利が侵害される」と訴えました。

人の健康への懸念
組み換え作物の安全性について主に次のような点が懸念されています。

  • がんや不妊、新生児の病気と高い死亡率、などを引き起こす可能性がある。
  • アレルギーの原因になる新しいタンパク質を合成するかもしれない。
  • 大半の組み換え作物に抗生物質への耐性をもつ遺伝子が組み込まれており、耐性菌が発生する恐れがある。
  • 除草剤などに強い遺伝子を細菌から取り出して組み入れている。
  • 組み込んだ遺伝子が植物の性質を変え、栄養価を下げたり、天然毒素を増やす可能性がある。

◆発がん性など
99年、組み換えじゃがいもを食べたラットの小腸に異常が見つかったという研究結果が公表され、議論になりました。また、インドのアンドラプラデーシュ州で組み替え綿を収穫した後の畑に放牧された羊が1600頭死んだケースが報告されています。原因は分かっていませんが、農薬が原因の可能性は低く、組み換え綿の影響と指摘されています。

◆アレルギー
ナッツ
これまでに明らかになった組み換え作物の性質に、アレルギー誘発物質の出現があります。ナッツにアレルギーのある人が、大豆に組み込まれたナッツの遺伝子に反応し、アレルギーが起きケースがあるのです。

また、アレルギー誘発の可能性があるため、米国で飼料用としてのみ認可され食品としては認められていなかった組み換えとうもろこしが00年、米国のスーパーマーケットで加工食品に使われて販売されていました。タコスの皮の原料に使われるなどし、10億ドル分の製品が回収されました。

◆耐性菌(抗生物質が効かなくなる)
大半の組み換え作物に抗生物質への耐性遺伝子(抗生物質に強い遺伝子)が組み込まれているのは次のような理由からです。遺伝子組み換えの際、目的の遺伝子が細胞に組み込まれたかどうかは外観だけでは分からないので、抗生物質に強い遺伝子も同時に組み込む方法が考え出されました。その後、細胞に抗生物質を与え、抗生物質への耐性があるかどうかを確かめることで、組み換えが成功したかどうかを判断するのです。

この耐性遺伝子は植物のどの部分にも含まれるので、「組み替え作物の中に含まれる耐性遺伝子が人の腸で腸内細菌に移ると、腸内細菌が抗生物質に耐性を持つ“耐性菌”に変質し、いざという時に抗生物質が効かなくなる恐れがある」と心配されています。このため、組み換え作物への抗生物質耐性遺伝子の使用を禁止するよう警告している医学専門家もいます。

評価試験は確実ではない
メーカーが組み替え作物の安全性評価試験を行う際、その組み換え作物と同種の作物とを比較し、化学成分や栄養価が変わっていないかどうかを調べます。また、導入遺伝子が作るタンパク質を分離できる場合、動物に食べさせて毒性を試験します。組み換え作物そのものを動物に食べさせて毒性を調べる場合もあります。組み換え作物が作ったタンパク質の化学成分を調べ、アレルギーの原因になる物質がないかどうかも調べています。

ただし、安全性評価試験は必ずしも「絶対確実」ではありません。例えば、組み換え作物に導入した遺伝子が作るタンパク質は少量で、動物に十分な量を投与できません。そこで、バクテリアを使ってタンパク質を増やしてから動物に与えますが、その場合は、組み換え作物から直接人の口に入るタンパク質と性質が異なる可能性もあります。また、組み換え作物そのものを動物に食べさせる場合、大量に食べさせるので栄養バランスが崩れ、適正な結果を得られない可能性があります。

疑わしきは食せず
組み換え食品が人の健康に及ぼす長期的影響はまだ十分に調査されておらず、絶対に安全とはだれも保証できません。

遺伝子組み替えの際に挿入された遺伝子によって従来の構造を変えることにより、人の健康にとって予測できない悪影響を与える恐れもあります。長期的影響が予測できないのなら、組み換え食品に関しては「疑わしいものは食べない」という姿勢が安全です。

「農薬減少」はうそ?
除草剤に強い遺伝子を組み込んだ作物は除草剤を大量にかけても枯れないので、従来の作物よりも残留農薬が多い可能性が高まります。組み換えダイズが世界市場に出回る直前に、大豆への除草剤残留値が引き上げられたという指摘もあります。

家畜への影響
豚、牛、鶏などの家畜の飼料には、とうもろこしや大豆、菜種が使われており、全世界で栽培されている組み換え作物の約8割は家畜飼料用です。

組み換え飼料で飼育された家畜の肉や卵などを食べることによる人間の健康への影響はまだ詳しく調査されていません。ただ、組み換え飼料を与えられた家畜への影響については、複数の調査結果があり、身体機能に深刻な問題が引き起こされると指摘されています。

輸入先シフトの求め
日本は05年、食用油用として年間約180万トンの組み換え菜種をカナダから輸入しましたが、組み換え菜種の栽培を禁止しているオーストラリアからは約40万トンしか輸入していません。 オーストラリアやニュージーランド、フランスなどの組み換え菜種禁止国に輸入先をシフトすべきという声があります。

最終的には消費者の市場での選択が輸入先の選択にも影響します。よく選んで買いましょう。


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