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●表示基準の不備

表示基準の抜け道
日本政府は76種類の組み換え食品と47種類の組み換え飼料の輸入を認可(06年8月現在)しています。組み替え作物の輸入は増加の一途で、組み換えでない作物を選ぶのが難しくなりつつあります。

消費者の選択を困難にしているが、組み替え作物使用に関する表示の問題です。

JAS(日本農林規格)法は、指定する食品に関し、組み換え作物を使った場合に表示を義務付けています。表示の種類は、

  • 「組み換え原料使用」
  • 「不分別」(確認できないが、組み換え原料が含まれる可能性が高いという意味)
  • 「組み換えではない」または「組み換え原料不使用」

――の3通りです。組み換え原料を使っていない場合は、無表示か、「組み換えでない」と表示するかを選べます。

しかし、消費者にとって大きな問題点が二つあります。

  • 組み換え原材料が混じっていても、5%以下なら「組み換えではない」と表示できる。
  • 組み換え原料を使っていても、食用油や家畜飼料など表示対象外になっているものが多い。

――という重大な抜け道です。

表示対象が限られている
日本への輸入が認められている組み換え作物には、大豆やとうもろこし、菜種、綿、じゃがいもなどがあります。これらを原料とする加工食品のうち、納豆やみそ、豆腐、豆乳、ポテトチップスなど32食品群(07年5月現在)については表示が義務付けられています。ところが、それ以外の食品や飼料には表示義務がありません

このため、例えば、食用油には組み換えの大豆や菜種が使われている製品が多いのに、表示対象外であることから、何も表示されていません。実際は、原料の大豆や菜種、とうもろこしの大半は組み換えなのに、「不分別」とも「組み換え」とも表示されていないのです。

混入5%以下なら不表示
表示義務のある加工食品でも、組み換え作物の混入が5%以下なら「不使用」と表示できます

このため、「遺伝子組み換え作物不使用」と表示しながら、組み換え作物が混じっていることがよくあります。例えば、東京都が05年5月にまとめた組み換え食品の検査結果によると、「不使用」と表示された大豆製品37品目のうち13品目(35%)、とうもろこし製品34品目のうち6品目(18%)から組み換え原料が検出されました。

EU並みの表示制度を
米国やカナダなどが組み替え作物の輸出を増やしており、非組み換え作物の調達がしだいに困難になっていることから、日本の食品業界は表示の厳格化に消極的です。農水省も「対象品目は1年ごとに見直しているが、5%ルールを見直す状況にはない」と表示制度の見直しに消極的です。

一方、EUでは、組み換え原料を使用した場合は、どんな加工食品にも表示が義務付けられています。家畜の飼料も同じです。また、不表示にできるのは混入0・9%未満の場合で、日本よりずっと厳格です。

消費者団体などは「原料が組み換えかどうかは輸入時に分かる。EUのように表示できるはず」と訴え、消費者本位の制度を望んでいます。

【EUと日本の表示制度】
  E  U 日  本
表示義務の範囲 ・すべての組み換え原料に表示義務
・添加物でも表示
・量の多少にかかわらず、組み換え作物由来の原料はすべて表示
・対象外は混入0.9%未満の場合のみ
・原材料の上位3品目のみについて表示
・上位3品目内であっても重量が全体の5%以下であれば、表示対象外
しょう油や食用油などDNAやタンパク質を検出しにくい場合の表示 表示義務の対象。「遺伝子組み換え」または「遺伝子組み換え由来」と表示しなければならない 表示対象外
外食産業での表示・情報提供の義務 レストランや病院、学食など外食産業で、組み換え原料が使われている場合にも表示義務あり 表示・情報提供の義務無し
飼料への表示 表示義務あり 表示義務なし

総務省が02年に行ったアンケート調査では、8割以上の消費者が組み換え表示の強化を望んでいます。「組み換え作物を原材料として使用している場合、使用量にかかわらず、表示を」と答えた人が84%などです。


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